下ぶくれ日記

中年主婦が書くたわいもないブログです。

【昔の思い出】ひもじいキャンプ

 

昔、女友達と2人でよくキャンプに行った。これはキャンプをはじめたばかりの頃の話。

 

さあ、食材を調達しよう!

お互いかなり離れた距離に住んでいたので、現地集合にしようということになった。私はだいぶ早く着いてしまったので、先に食材を買っておくことにした。コンビニもスーパーもなく、近くにあったのは商店みたいなところだけ。失礼承知で、商店のおばさんに近くにスーパーないか聞いてみたが、そんなの近くにはないという。

 

しょうがないので、その商店で買うことに。野菜も肉もほとんどない。野菜は、椎茸とピーマンだけ。肉はほとんどない。焼肉用の肉なんてない。ちょっと色が悪い鶏肉があったので、もうそれしか選択肢はなかった。あと、カップラーメンを2つとお酒。キャンプ場に売ってるかも知れないから、とりあえずこれでいいか。

 

キャンプ場の駐車場で友達と合流。まずはテントを立てる。なにぶん初めてなもので、ものすごい時間がかかった。椅子やテーブルをセットしたらもう自分達だけの空間。テンションが上がる!とりあえずビールで乾杯してから、ちょっと休憩。

 

 

さあ、炭を起こそう!

全然火がつかない。新聞紙を燃やしてみたり、着火剤も入れたし、団扇でもあおいだ。でも全然点かない。1時間以上やってるが全然ダメ。新聞紙を追加してまたあおぐ。灰になった新聞紙が舞い上がって、もう無茶苦茶だ。隣のサイトにいた家族連れのお父さんが見かねて言った。「新聞紙、そんなに入れたらダメですよ!」と言って自分の着火剤を足して火おこしをしてくれた。……神。「ほんとにありがとうございました!助かりました」私たちは心からお礼を言った。

 

もうすっかり日が暮れてきた。とりあえず、「さっきの商店で買った食材を焼こう」と思ったが、箸を忘れたことに気づいた。どうしよう。管理棟までは車を出さないと遠い。もう飲んだし……。友達が「木の枝で作ろう」と言った。もうそれしかない!落ちている手頃な枝を見つけてパキッと割って軽く洗った。完成。削ったりとか何もなし。無茶苦茶使いにくいけど、ないよりマシ。こういうのもまた楽しい。

 

さあ、肉を焼こう!

鶏肉のパックをあけた途端、ヤバい匂い。色も完全に腐ってる。これ絶対食べたらダメなやつ!どうしよ。唯一の肉がーーー。仕方ないので、ピーマンと椎茸を焼こう。さっき火を起こしてくれた家族は、めちゃくちゃ肉焼いてる。いろんなもの焼いてる。いい匂い〜。

 

私たちのあまりにも貧乏くさい網の上を見られたくない。恥ずかしい。ファミリーに背を向けて見られないようにして木の枝で食べた。椎茸とピーマンは一瞬で終わった。どうしよう。もう、売店は完全に閉まってる。キャンプ来て晩ごはん、椎茸とピーマンだけってあまりにもひもじい。お腹減って寝られない。カップラーメン、明日の朝食べようと言ってたけど、もう今から食べることにした。カップラーメンめちゃくちゃ美味しかった。その後は、焚き火をしながらお酒を飲んでいろいろ語って初キャンプの夜を楽しんだ。

 

さあ、朝ごはん!いっけね〜何もなかった…

朝、テントの外から聞こえる子供の声で目が覚めた。

「焼きおにぎり美味しい〜!」……いいな〜。お腹減った。私たちも朝ごはんにしよう。っていうかラーメン食べたから朝ごはんないんだった。とりあえず、また横になる。テントの中でいたらいろんな声が聞こえる。パンを焼いてるところもあるみたいだ。炭でこんがり焼いたサクサクのトースト。

 

「トースト、さぞかし美味しいんやろうな〜。」

 

おにぎりもパンも食べたい。

 

「おにぎり、さぞかし美味しいんやろうな〜。」

 

テントの中で2人でさぞかし……と繰り返し言った。あーひもじい。そういえばカップに湯入れるだけのコーヒーは、あった!それをゆっくり味わいながら飲んだ。あーうまい。コーヒーがあってよかった。

 

さあ、チェックアウト!

またテントに入ってごろごろしていた。気づいたらもうチェックアウトの時間が近づいてる、やべー。1時間もない。テントたたむのが一番大変。間に合うのか。飛び起きて、もう速攻で片付けていく。とにかく車の中に入ればいい。テントも帰ってたたみ直せばいい。どうやっても袋に入るようにはたためない。くしゃくしゃに丸めてとりあえず車へ。無茶苦茶だけどなんとか全部積み込めた。来たときと同じ荷物の量だけど、もうパンパンだ。助手席と運転席の間には、銀マットがあるし、助手席にも荷物いっぱいだ。でもOK!ドアもしまった。

 

管理棟でチェックアウト。売店にお菓子が色々売ってある。もうお腹ぺこぺこだ。売店のお菓子を何袋か買って、車に乗り込んだ瞬間、袋を開けて貪るように食べた。外から見たら恐ろしい光景だ。食らいつき方がヤバい。

 

もう、こんなひもじいキャンプは嫌だ!

もうこんなキャンプは嫌だと2人で話し、次回からは食材だけはちゃんと用意しておこうということになった。反動で次行ったキャンプでは、誰がそんな食べるんだって量を買った。当然余った。毎回そういう失敗をするんだけど、それもまた振り返れば楽しい思い出。